印刷会社系の翻訳会社

翻訳サービスを提供している会社をの観察をする機会がありました。 この会社、翻訳会社として活動をしていますが、本業はあくまで印刷会社です。

観察からわかったこと、それは、当該の印刷会社系の翻訳会社の場合、翻訳のスキルは非常に低いということです。 印刷会社は官公庁などから印刷を受注する際に、翻訳も抱き合わせで受注することが多々ある・・・つまり、印刷会社が翻訳会社を二次的に運営するケースというのは良くあることと考えられます。

印刷会社が併設している翻訳会社の全てが同じとは限りませんが、そのような会社の翻訳というのは翻訳品質が悪いことが多いのではないかと考えられます。 印刷会社が併設する翻訳会社は、営業が印刷ついでで翻訳も受注するので効率が良いと言えます。 しかし、逆に言えば、印刷ついでで翻訳もやっているというスタンスとなることが多いでしょう。(クライアントが官公庁の場合、翻訳の品質が悪くても受注ができてしまうケースが多いようです)

一方、翻訳で仕事を得ている翻訳が本業の翻訳会社の場合、翻訳の品質が悪ければ受注が得られず命取りにもなりかねませんので翻訳に対して真剣なスタンスで仕事をしています。 従って、 印刷ついでに翻訳を行う副業的な翻訳会社と、翻訳が主体の翻訳会社との間では翻訳品質に対する意識の差というのは大きいと考えられます。 印刷会社が併設している翻訳会社は翻訳の品質が悪くても仕事が得られてしまうため、翻訳そのものの品質に対する考え方がシビアではなく、従って、翻訳品質も高くないということかと考えられます。

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約5年の月日が経ち、久しぶりに上記の印刷会社系翻訳会社のホームページを訪問してみました。 会社自体は存在しているのですが、どうやら、色々なことが変わった様子でした。 社長が変わり、所在地や電話番号が変わり、ホームページのデザインが変わり、親会社の印刷会社とのリンクも見あたらない・・・。 それもそのはず、親会社の印刷会社そのものを探しても見あたらない。

この5年の間に、どうも、この翻訳会社のもともとの親会社であった印刷会社は倒産してしまい、子会社だった翻訳会社だけが細々生き残っているような状態のようです。 翻訳会社として検索しても見つけるのが困難な翻訳会社ですので、翻訳からの収益はゼロに等しいと推測されます。 英会話教室もやっているようなので、それで細々と食いつないでいるのかもしれません。

この翻訳会社、2003の時点では、かなり勢いがありました。 私は前社長が行政機関とのコネクションに多大な執着を持っていたことを知っていますが、そのコネクションをフル活用して、行政機関絡みの翻訳・通訳業務を独占的に獲得してきたと言って間違いではないでしょう。 と、いうのも、当時この翻訳会社が書いた記事に、この翻訳会社が行政が深く関わる大型サッカーイベント絡みの翻訳・通訳や新規国際航空路線開設の絡みの翻訳・通訳を行ったと掲げているからです。 これにより結構潤っていたものと推測できます。 そして、翻訳機能を持ったショッピングモールの構築という新事業に取り組むほど勢いが良かったのです。 給与30万円で求人していたほどですから。

しかし、その後、業績が悪化したようです。 ホームページの更新は 2004年をピークに、2005年に激減、そして2006年に更新されない状態に陥いり、相前後して主力の翻訳者兼通訳者が退職しています。 翻訳機能を持ったショッピングモールについても2008年末現在で見あたらないし、稼働したという話も聞かないので、恐らく、失敗したのでありましょう。

また、何年かしてから、この翻訳会社がどうなったか調査してみたいと思います。

ある方との情報交換記録 印刷会社系の翻訳会社の情報


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